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戦パラに載せてたSS2

 鈴呉がハッと目を開く。視界に移るのは満天の星空。
 星空を見つめながら、現状を理解出来ず瞬きを繰り返す。すると、頭の横辺りで小鳥の囀りが聞こえ、そちらに顔を向けると、甲斐姫の肩に止まる春疾風が、鈴呉が目を醒ましたことを悟り、鳴いたのだ。
「気が付いた、鈴呉?」
 甲斐姫が問い掛けても、鈴呉はしばらく固まり、そして弾かれた様に起き上がろうとする。しかし、体の痛みに顔を歪め、力が抜けた様に再び体を沈める。
「駄目よ、しばらく安静にしてて」
「姫様、合戦はっ!?」
 自分が気を失う前の状況を思い出し、懸念事項を主君に問う。甲斐姫は苦笑を浮かべながら答える。
「終わったわ、今日はね。結果は、貴方が気を失う前と大差無いわ」
 それを聴いて、鈴呉は力無く顔を真上に向ける。その様子に、甲斐姫は心配そうな視線を向ける。
 鈴呉の見上げた満天の星空が、水面を通しぐにゃりと歪む。目に張った湖から川が生まれ、鈴呉の頬に伝う。
「また、最後まで戦えなかった」
 少しは強くなれたと思ったのに、結局この様だ。自分がもっと頑張れば、勝敗を覆せたかもしれないとさえ考えてしまい、激しい後悔が胸を突き刺す。
「鈴呉は頑張ったよ、あたしは知ってる。鈴呉だけじゃなくて、他の皆も小早川勢の皆もね、そして今日は戦えなかったけど支援してくれた皆も」
 甲斐姫は、その代名詞たる笑顔で言う。
「そうやって本気で頑張れたことは、誇って良いことよ」
 傷に障らぬ様、鈴呉はゆっくり身を起こす。
 悪戯っぽい笑顔で片目を瞑り、甲斐姫が言う。
「それに、今日の戦いは終わったけど、合戦はまだ終わっていないわ。あたしたちは直接戦えなくとも、応援することも、支援することも出来る」
 見つめて来る鈴呉の目を、真直ぐ見つめ返して甲斐姫が続ける。
「まだ負けて無い、明日きっと西軍を見返してやりましょう。直接戦うのは伊達勢でも、これはあたしたちの合戦なんだから」


――――
初の模擬ではない合戦の、甲斐姫勢出陣後に書いた物

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